この記事では、「フィールドセールスはいらない」と言われる理由や、実際に廃止しても問題ないのかを、営業組織の見直しを検討している方に向けてわかりやすく解説します。
結論からいうと、フィールドセールスはすべての企業で不要になったわけではありません。
オンライン営業やインサイドセールスの普及によって役割は変化していますが、高額商材や複雑な提案では対面営業が今も成果につながっています。
この記事では、フィールドセールスが不要と言われる背景や必要とされる企業の特徴、営業体制を見直す際に確認すべきポイントを具体的に解説しています。
自社に合った営業スタイルを見極める判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。
- フィールドセールスが「いらない」と言われる背景と実情
- フィールドセールスが必要な企業・不要になりやすい企業の特徴
- 営業体制を見直す前に確認したい4つのポイント
フィールドセールスはいらないと言われる理由
フィールドセールスが不要と言われる背景には、営業手法や顧客ニーズの変化があります。
特に近年はオンライン商談の普及や営業DXの推進によって、訪問しなくても契約まで進められる企業が増えました。
しかし、すべての企業でフィールドセールスが不要というわけではありません。
まずは、そのように言われる理由を見ていきましょう。
理由①:オンライン商談が普及したから
フィールドセールス(顧客先を訪問して商談を行う訪問営業のこと)は、Web会議システムの普及により、移動せずに商談を進める企業が増えたことで役割が変化しています。
以前は初回訪問から契約まで対面で進めることが一般的でしたが、現在ではオンラインだけで商談から契約まで完結するケースも珍しくありません。
移動時間や交通費を削減しながら、多くの顧客と商談できることが大きなメリットです。
たとえば1件あたりの訪問に往復1〜2時間かかっていた商談も、オンラインなら移動時間ゼロで実施でき、遠方の顧客であれば交通費だけで数千円〜数万円のコスト削減につながることもあります。
また、地方企業や遠方の顧客とも気軽に商談できるため、営業エリアを広げやすい点も評価されています。
理由②:インサイドセールスで対応できる業務が増えたから
営業活動を分業化する企業が増えたことも、フィールドセールス不要論につながっています。
インサイドセールス(電話やメール、オンライン会議を活用して見込み顧客へのアプローチや商談設定を行う内勤型の営業職)は、フィールドセールスが担当していた業務の一部を代替できるようになりました。
営業担当者が訪問すべき案件だけに集中できる体制を構築する企業も増えています。
理由③:営業コストを削減したい企業が増えているから
企業では営業活動の効率化が重要視されています。
フィールドセールスは移動時間や宿泊費、交通費などのコストが発生するため、企業によっては大きな負担になります。
例えば、全国を担当する営業担当者を複数抱える企業では、出張費だけで月数万円〜十数万円のコストがかかることも珍しくありません。
一方でオンライン営業は、同じ時間で複数の商談を実施できるため、生産性向上につながりやすい点が特徴です。
営業コストを抑えながら売上を維持したい企業では、オンライン営業へ切り替える動きが進んでいます。
【注意】すべての企業で不要という意味ではない
フィールドセールスが不要と言われる一方で、対面営業だからこそ成果を出せる企業も数多くあります。
高額商材や複雑な提案では、直接会って信頼関係を築くことが契約率向上につながるケースも少なくありません。
また、工場や設備の確認、現地調査、実機デモなど、訪問が前提となる営業活動もあります。
フィールドセールスが不要かどうかは、自社の商品や顧客、営業プロセスに合わせて判断することが重要です。
オンライン営業が広がっても、訪問営業が向いている場面はまだまだあるんだね!
フィールドセールスが必要な企業の4つの特徴
オンライン営業が普及した現在でも、フィールドセールスが高い成果を発揮する企業は少なくありません。
商材や顧客との関係性によっては、対面営業が競争力につながるケースもあります。
ここでは、フィールドセールスを維持した方がよい企業の特徴を紹介します。
| 比較項目 | フィールドセールスが必要な企業 | フィールドセールスが不要になりやすい企業 |
|---|---|---|
| 商材単価 | 高額(数百万円以上のシステム・設備投資など) | 比較的低価格 |
| 契約検討期間 | 長い(慎重な検討・複数関係者の合意が必要) | 短い(スピード契約) |
| 業界例 | 医療・建設・不動産・製造業など | SaaS・クラウドサービスなど |
| 商談形式 | 現場確認・実機デモが必要 | オンラインだけで完結 |
必要①:高額商材を扱う企業
高額な商品やサービスは、契約までに慎重な検討が行われる傾向があります。
顧客は価格だけでなく、導入後のサポートや担当者への信頼も重視するため、対面で説明することで安心感を与えられます。
数百万円以上のシステムや設備投資では、担当者との信頼関係が契約の決め手になることも少なくありません。
オンラインだけでは伝わりにくい提案内容も、訪問営業なら資料やデモを交えながら丁寧に説明できます。
必要②:信頼関係の構築が重要な業界
医療、建設、不動産、製造業などでは、長期的な取引を前提とするケースが多くあります。
こうした業界では、担当者同士の信頼関係が契約だけでなく、その後の継続取引にも影響します。
定期訪問によって課題を把握し、細かなフォローを行うことが顧客満足度の向上につながります。
長期契約を前提とするビジネスほど、対面営業の価値は依然として高いといえるでしょう。
必要③:現場確認や実機デモが必要な商材
製造設備や機械、建築資材などは、現場を確認しながら提案する必要があります。
また、実際に製品を操作してもらうデモンストレーションは、オンラインでは十分に伝えられない場合があります。
顧客の課題を現場で確認し、その場で改善案を提示できることはフィールドセールスならではの強みです。
実物を見せながら説明できることで、導入後のイメージを持ってもらいやすくなります。
必要④:複数の関係者との商談が多いケース
BtoB営業では、意思決定者だけでなく現場担当者や管理部門など、多くの関係者が商談に参加することがあります。
たとえば経営層の決裁者と現場の運用担当者が同席する商談では、その場で細かな質問に答えながら合意形成を進められることが対面営業の強みです。
そのような商談では、対面の方が意見交換しやすく、細かなニュアンスも共有しやすいというメリットがあります。
複数人が参加する重要な商談ほど、訪問営業の効果が高まる傾向があります。
オンラインでも実施できますが、重要な最終提案や契約前の打ち合わせでは、対面を選ぶ企業も少なくありません。
高額商材や信頼関係が鍵になる業界では、まだまだ訪問営業の出番があるんだね!
フィールドセールスが不要になりやすい企業の4つの特徴
一方で、営業活動の大部分をオンライン化できる企業では、フィールドセールスを最小限に抑えるケースも増えています。
営業コストを削減しながら成果を維持できる企業には、いくつか共通点があります。
不要①:オンライン完結型のサービス
SaaSやクラウドサービスなどは、導入から利用開始までオンラインだけで完結することが多くあります。
製品説明やデモもWeb会議で対応できるため、訪問営業の必要性はそれほど高くありません。
契約やサポートもオンライン化されているため、営業担当者の移動時間を削減できます。
不要②:単価が比較的低い商材
比較的安価な商材では、訪問コストが利益を圧迫することがあります。
そのため、電話やオンライン商談を中心とした営業体制の方が効率的です。
商材単価が低いほど、営業活動の効率化が利益に直結しやすくなります。
契約件数を増やすことが重要なビジネスでは、オンライン営業との相性が良いといえるでしょう。
不要③:標準化された営業フローがある企業
提案内容や契約までの流れが統一されている企業では、オンラインでも十分に営業活動を進められます。
営業担当者ごとの差が少なく、マニュアル化された商談を実施できるためです。
資料や動画を活用することで、訪問しなくても高い成約率を維持できる企業も増えています。
不要④:インサイドセールスとカスタマーサクセスが機能している企業
見込み顧客の獲得から契約、導入後のフォローまでを分業できている企業では、フィールドセールスを配置しなくても成果を出せる場合があります。
インサイドセールスが商談を担当し、契約後はカスタマーサクセス(導入後の顧客支援や活用促進を担当する専門職)が継続支援を行うことで、営業活動全体を効率化できます。
営業プロセス全体を最適化できている企業ほど、フィールドセールスへの依存度は低くなる傾向があります。
自社の商材が表のどちらに近いか、チェックしてみるとよさそうだね!
フィールドセールスをなくす前に確認したい4つのポイント
フィールドセールスを削減すれば営業コストは下がりますが、すべての企業で成果が向上するとは限りません。
「自社もフィールドセールスをなくしても良いのではないか」という疑問を持つのは自然なことです。
実際には、商材や顧客層によって最適な営業体制は異なるため、見直し前に自社のビジネスモデルや顧客ニーズを整理することが重要です。
ここでは、フィールドセールスの必要性を判断するために確認したい4つのポイントを紹介します。
ポイント①:顧客単価
まず確認したいのが、1件あたりの契約金額です。
高額商材ほど契約までの検討期間が長く、担当者との信頼関係が重要になります。
一方で、低価格帯の商品やサービスであれば、オンライン商談だけでも十分に契約につながるケースがあるでしょう。
契約単価が高いほど、訪問営業による付加価値を発揮しやすくなります。
営業コストだけではなく、契約率や顧客満足度も含めて判断しましょう。
ポイント②:商談の複雑さ
商談内容が複雑な場合は、フィールドセールスが効果を発揮する可能性があります。
例えば、複数の商品を組み合わせた提案やカスタマイズが必要な場合は、対面で説明した方が顧客の理解を得やすくなります。
また、複数の担当者が参加する商談では、その場で質問に回答しながら意思決定を進められる点も大きなメリットです。
オンラインだけで十分に説明できるかどうかを見極めることが重要です。
ポイント③:営業プロセス
営業活動全体を可視化することも欠かせません。
見込み顧客の獲得から契約、導入後のフォローまでの流れを整理すると、どの工程でフィールドセールスが必要なのかが見えてきます。
訪問が必要なのは一部の商談だけというケースも多く、営業プロセスを見直すことで効率化につながります。
すべてを廃止するのではなく、必要な場面だけ訪問営業を活用する方法も有効です。
ポイント④:顧客体験への影響
営業効率だけを重視すると、顧客満足度が低下する可能性があります。
顧客によっては、対面で相談できることに安心感を持っているケースもあります。
営業体制を変更する際は、契約率だけでなく継続率やリピート率、顧客からの評価も確認しながら進めることが大切です。
長期的な視点で営業品質を維持できるかを検討しましょう。
コスト削減だけじゃなく、顧客満足度も一緒にチェックするのがポイントだよ!
フィールドセールスに関するよくある質問
フィールドセールスは今後なくなるのでしょうか?
完全になくなる可能性は低いと考えられます。オンライン営業が主流になる業界は増えていますが、高額商材や複雑な提案、長期的な信頼関係が重要な業界では、今後もフィールドセールスが必要とされる場面は残るでしょう。
インサイドセールスだけでも営業はできますか?
商材やターゲットによっては可能です。SaaSやクラウドサービスなど、オンラインで契約まで完結できるサービスでは、インサイドセールス中心でも十分に成果を上げられる企業があります。
フィールドセールスを減らすメリットは何ですか?
営業コストの削減や生産性向上が期待できます。移動時間や交通費を削減できるため、限られた人員でもより多くの顧客へアプローチしやすくなります。
営業組織を見直す際に最も重要なことは何ですか?
自社の商材や顧客に合わせて営業体制を設計することです。流行だけでフィールドセールスを廃止するのではなく、営業プロセス全体を分析し、最適な役割分担を考えることが重要です。
フィールドセールスはいらないと言われる理由のまとめ
フィールドセールスは、オンライン営業やインサイドセールスの普及によって役割が変化しています。
そのため、「いらない」と言われる場面も増えていますが、すべての企業で不要になったわけではありません。
高額商材や複雑な提案、長期的な信頼関係を重視する業界では、対面営業だからこそ得られる価値があります。
一方で、オンラインだけで契約まで完結できる商材では、フィールドセールスを最小限にすることで営業効率を高められる可能性があります。
重要なのは、他社の営業体制をそのまま真似るのではなく、自社の顧客や商材、営業プロセスに合わせて最適な営業体制を構築することです。
営業組織の見直しを検討する際は、短期的なコスト削減だけでなく、契約率や顧客満足度、長期的な売上への影響まで含めて判断しましょう。
自社に合った営業体制を、ぜひじっくり考えてみてね!
